BEPPU ONSEN
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ウェルネス&リトリートの時間
鎌倉時代から続く日本最大の温泉地、別府から頂く再生力
別府の湯けむり・温泉文化を代表する鉄輪温泉。
古くから湯治場として栄えたこの地は、時宗の開祖である一遍上人が地獄のように噴気していた鉄輪をおさめたことから始まったとされています。鉄輪むし湯は鎌倉時代1276年に一遍上人によって創設され、清流沿いにしか群生しない薬草「石菖(せきしょう)」の上に横たわり、温泉の蒸気を全身に取り込むことで、大自然のエネルギーが人が本来持っている再生力を引き出します。
現代的に言えば、「心と体をととのえるマインドフルネス温浴施設」であり、横たわりながら瞑想状態に至り、温泉と薬草で心身のリラクゼーションを図ることで、人間の精神活力を引き出す入浴法です。「心身一如」の仏教哲学がそこには感じられ、750年も前から、人々がそのようなリトリートを取り入れていたことは、驚くべき歴史ストーリーと言えます。
1694年に貝原益軒が「豊国紀行」で蒸し湯で病人の治療をしている様子を描き、19世紀の近代においても、詩人の野口雨情が鉄輪温泉を愛し「豊後鉄輪、むし湯の帰り、肌に石菖の香が残る」と謳うほど、この温浴法の素晴らしさは時代を超えて人々の心をとらえています。
また、昭和の初期には、温泉治療の専門研究所も設立され、温泉治療学の研究と実際の治療浴場も設けられています。観光のみならず、本格的に医療の役割も果たすという別府温泉のエコシステムは現在も継承され、特に別府・明礬温泉の強酸性泉や泥湯は強力な殺菌力・治癒力を持つことで知られています。
日本の温泉ウェルネス・リトリートの元祖とも言える、別府温泉で、壮大な歴史ストーリーに包まれながら身体も心も癒される旅を。
歴史ストーリー
荒ぶる大地を治め温泉地を切り拓いた信仰の物語:
古代日本において別府温泉は豊後国風土記の記録に残っていますが、当時は100度近くまでの高温の温泉を生活利用する風景はなかったようです。時は流れ、地元の伝承では、道後温泉が生誕の地である時宗の開祖一遍上人が1276年頃にこの地を訪れ、鉄輪の地獄を鎮めて湯治場を開いたと伝えられています。
当時から寺院における入湯は蒸し湯、つまり現代のサウナが利用されていたことが史料で確認されており、鉄輪の高温温泉を活用して、その蒸気を石風呂へ送って天然サウナとして全国を行脚する僧や旅人たちの疲れを癒していたと考えられています。鉄輪温泉の中心に位置し、一遍上人との縁が深い永福寺の住所は風呂本1ですが、この風呂という名はお湯への入浴ではなく、サウナ浴のことを指しています。
その後、江戸時代においても、鉄輪の温泉・蒸し湯は世に知られた存在であり、ここを訪れた人がその記録を数々残しています。病気治療の方法として温泉と蒸し湯が注目され、湯治場文化が定着していきます。江戸時代の湯治客が、温泉の蒸気を使って野菜や芋や卵などを茹でて調理している風景が残されており、現代別府温泉の地獄蒸し料理がこの頃からすで行われていたと考えられています。
「そこら中に大地から湯気が噴き出す鉄輪温泉の様子は古代の日本人から見れば地獄の風景であり、高温でもあることから生活利用はされない時代が長く続いた。そこに、全国を旅して救いを説く遊行の僧が、人々の安寧のために大地を鎮めて、自己治癒力を高めるマインドフルネス式のサウナ浴を作り出した。」このようなストーリーは何とも興味深く、「自然への畏怖心から始まり、自然を克服するのではなく、それと調和することによって心身ともに豊かになれる生活文化を生み出す」という日本人らしい信仰心と実践哲学の現れと言えるかもしれません。
近代化で変容する別府の風景:
明治時代になるとインフラ事業が活発に行われ、別府の地にも港湾と鉄道が整備され、多く入湯客で賑わいます。それまで、地獄というのは高温の熱水が噴出するため作物は栽培できず、住居を構えることもできず、土地の所有者からすれば一言でいえば厄介者でしかありませんでした。それが観光客から入場料を徴収することで、厄介者から収入を得ることのできる資源になったことは地域経済に大きな影響を与えたと言えます。明治44年に海地獄が見物客から入場料を徴収したことがきっかけで、地獄めぐりの観光地化が一気に進みます。当時は徒歩や馬車で地獄めぐりを楽しんでいましたが、大正初期から自動車タクシーツアーも実施されていた記録が残っています。
昭和以降では先述の通り、医療の側面も注目を集めました。専門の研究機関も設立され、昭和60年には鉄輪・明礬・柴石温泉が、温泉の効能が顕著である、景観が優れている、環境衛生的条件が良好である、気候学的に休養地に適している、温泉顧問医が設置されている、災害に対して安全であるなどの条件を満たしているとして、環境庁(現環境省)から国民温泉保養地の指定を受けています。
一遍上人が大地を鎮めてサウナ浴としての鉄輪温泉を拓いてから750年が経ち、交通インフラや観光ビジネスモデルは変容しつつも、いつの日も湧き上がる大地のエネルギー・湯けむりの景観、自然治癒力を引き出す温泉の力というこの地の恵みに、人々が癒しとリトリートを求めて訪れる様子は、いつの世も変わらず受け継がれ、日本の大切な温泉文化を現代に繋げています。
ACCESS
Oita Prefecture / Beppu City
所要時間 約2時間30分
新幹線約1時間30分
特急ソニック約1時間
所要時間 約12時間
フェリー約12時間
鉄輪蒸し湯リトリート
心と体を整える
– 別府温泉マインドフルネスの旅
一遍上人の時代から続く「瞑想する入浴」。石菖のハーブと温泉の蒸気で体を満たしながら、暗室で目を閉じ、深いマインドフルネスの時空間へ。かつての湯治という旅のスタイルは、現代のストレス社会の癒しにも繋がる、普遍的な価値をもたらしています。
古くは難病の治療にも使われていた鉄輪むし湯は、発汗・デトックス効果はもちろんのこと、関節痛や不眠症などへの適応症が認められています。おすすめは、別府たびの初日の夕方と翌日の朝の2セット入ること。旅の疲れを癒しながら、都会の喧騒を離れ、本来の活力を取り戻す瞑想する入浴をぜひ一度お試しください。
蒸し湯体験に合わせて、湯けむり立ち込める鉄輪温泉のまち歩きツアーもお楽しみいただけます。古くから続く湯治場の情緒あふれる風景、歴史ストーリーにつながる一遍上人の縁の場所、随所に刻まれた人々の記憶を辿ります。
かつての湯治客と同じように、地獄蒸し料理の体験もぜひ。江戸時代から、宿で食事を提供するのではなく、湯治客が自分自身で筍や山菜、米などを温泉で蒸して食べるという滞在スタイルが確立されており、地獄蒸し料理はこの地域の文化を伝承する食体験だと言えます。90度の高温の蒸気と、温泉に含まれる塩分が素材の旨みを引き立て、野菜や卵はもちろんのこと、米、海鮮、肉などあらゆる素材を美味しく仕上げることができ、余計な調味料や仕込みを不要とするシンプルかつヘルシーな地獄蒸し料理は、現代ウェルネス旅にもぴったりです。
伝統工芸・別府竹細工から辿る日本の温泉文化
繊細な感性と技法で、自然と調和された美しさを見出すローカルアートの旅
古代の時代から日本人の暮らしを支える存在として、その技法が磨かれてきた別府竹細工。
美しい竹編みの技法が今でも人々の心を引きつけ、日本の伝統工芸品として指定されています。江戸時代に温泉文化が華開かれる頃には、別府に滞在する湯治客が、米を炊いて蒸すための飯かごなどの台所用品として地元の竹製品を買い求め、温泉観光と共に竹細工のものづくり産業も発展しました。別府には、日本で唯一の竹細工専門学校があり、伝統文化が失われないよう、次の世代の職人が日々、切磋琢磨しています。
戦後、便利快適を求める社会風潮の中で、日本でもほとんどの日用品がプラスチックに置き換わり、伝統的なものづくりが失われる時期がありました。そのような時代を経て、自然環境への配慮、日本文化の美意識、大量生産ではないものづくりの重要性などが改めて見直され、別府の竹細工が再び注目を集めています。温故知新という日本語のとおり、竹に詰まった日本人の記憶・知識や技術の集積に立ち返り、文化的価値と経済的価値の両面を再び生み出す活動の一つとして、別府では竹細工の技術を発展したアート作家としての作品作りも積極的に行われ、世界的に高い評価を得ています。この日本の美意識を表現した繊細な竹アートは、ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパを初めとした別府温泉の高級ホテルでも各所に飾られており、温泉と共に別府を代表するローカルコンテンツです。
かつての別府温泉では、誰もが竹籠を持って温泉情緒の一部となっていました。まさに日本文化の裏方として支える存在としての別府竹細工は、インバウンド観光の中でこれからますます光を放つことでしょう。別府温泉では、竹細工の職人・作家が自身の作品を販売するショップが各地にあるほか、別府市竹細工伝統産業会館では、様々な竹作品や歴史的史料を飾るギャラリー、竹細工ワークショップ体験施設があります。別府と竹の日本文化ストーリーに惹かれた方は、ぜひ一度足を運んでみてください。
水先案内人に誘われ別府各地の温泉情緒を辿る
ローカルコンシェルジュに尋ねる別府温泉街の楽しみ方
湯けむり景観で知られる別府は八つの温泉郷、七つの地獄を有し、温泉の量と数において、日本最大級の温泉地です。その多様性とコンテンツの豊富さから、限られた旅の時間でどこを回るか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そんな時に活用いただきたいのが、地域を知り尽くすローカルコンシェルジュによる案内所「ワンダーコンパス別府」です。周遊バスチケット、外貨両替、スーツケースや手荷物の預かり・配送などの実用的なサービスを利用できるほか、全国でも珍しい “交流型案内所” として、フレンドリーにゲストとコミュニケーションを取りながら、より別府たびを楽しめるようにサポートしています。
新たに提供開始する「ウェルカムバディ」は、地域の友人に旅の案内を頼むような気軽さで、ゲストのニーズに合わせた別府半日ガイドを頼めるサービスです。別府八湯の湯めぐり、温泉神社として知られる八幡朝見神社への参拝、温泉街の路地裏散策、毎年4月に開催される温泉祭りの楽しみ方など、ゲストの興味やニーズに合わせて、ローカルコンシェルジュと回るからこそディープに楽しめる別府たびへ誘います。
またワンダーコンパスがある別府駅前の繁華街は、海鮮市場や竹細工土産店、郷土料理・寿司・クラフトビールバーなど、気軽に立ち寄れる豊富なバリエーションのお店が揃っていることも魅力。裏通りには昭和レトロな雰囲気を残したぜひワンダーコンパスのコンシェルジュから、あなたのお好みに合った食べ歩きとナイトライフを提案してもらいましょう。
別府の温泉情緒を辿る旅を、ぜひ心ゆくまでお楽しみください。
ONSEN EXPERIENCES
TOURISM GUIDE


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別府温泉文化を堪能する
2泊3日の旅
奥行きのある別府の魅力をマインドフルネス・リトリート、温泉情緒探索の2つの軸でたっぷり満喫できる2泊3日の旅をご紹介します。